脱サラして石川県加賀市で伝統工芸を始める、という選択。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

石川県加賀市・移住コンシェルジュのやまだです。

石川県加賀市では、「漆器の木地づくり」を学べる研修所があります。
こちらは全国唯一の施設で、現在平成29年度の研修生を募集しています。
(締切は2017年1月13日まで!ご注意ください。)

「本当に一人前になれるのか」「卒業後どんな仕事があるのか」、
興味はあっても不安に思う気持ちは皆さん一緒です。

そんな不安を払拭するべく、実際の卒業生が取材に応じてくださいました!

木下富雄さん

2001年、36歳で「挽物轆轤(ひきものろくろ)研修所」へ入学するため、脱サラを決意。
同時に36年間暮らしていた名古屋を離れ、石川県加賀市へ移住。

研修所に通う傍ら、バイトで生計を立て、2005年の卒業と同時に木地師として独立。

木地師(きじし)…
轆轤(ろくろ)をひき、お椀や盆等の木工品を加工、製造する職人のこと。

現在、注文をうけて器の下地のみを製作する「職人業」と、
器のデザイン~漆塗り~販売までを一貫して行う「作家業」を兼務し活動中。

作品と活動の紹介

山中漆器の特徴の一つである「拭き漆」。

拭き漆…
形を整えた木の器に漆を薄くのばし、一旦乾燥させた後、
やわらかい布で拭き上げ、改めて漆を塗って、拭いて、を繰り返す技法。

木下さんの作品にも、こういった「拭き漆」という手法が使われています。
また、器の形にあわせて木の重心を決めたりと、
「日常的に使いやすい漆器」というテーマで製作されています。

また、そんな普段使いの漆器を提案する一方で、
漆器の新しい活かし方に情熱を注いでいる方でもあります。

山中漆器というジャンルを越え、様々な伝統工芸に携わる方とスクラムを組み、
【世襲じゃない工芸家集団”IKON”】のメンバーとしても活躍されています。

世襲じゃない工芸家集団”IKON”
伝統工芸を支える為、様々なジャンルの若手作家が集まり、「ものづくりの希望」を後世へと繋ぐため活動。定期的に集合し、県外でのイベントや企画を構想するなど新しい試みを行っている。現在、東京のカフェとコラボし、自分たちの器を使った料理イベントを計画中。


Q1 卒業後、すぐに独立することに不安はありましたか?

今の研修生を見ていると、卒業後すぐに独立という研修生は少ないと思います。
卒業後一年間は、先生の工房で修行をして、技術を積んでから独立している人が多いですね。

修行先の工房も、研修所が本人の希望を聞きながら紹介するケースもあるようです。

Q2 独立の際、機材や場所の準備は大変でしたか?

昔は卒業後に轆轤(ろくろ)一式を購入して独立する人もいたようですが、
自分の場合、工房の作業スペースをレンタルしています。

研修所にいれば、空いている工房の情報なども自然に入ってきますので、
卒業後も加賀市に残る人は、レンタル出来る場合も多いと思います。

Q3 お仕事の依頼は多いですか?

どの職業にも言える事ですが、時代によって左右される面はあります。

自分が独立したときは、景気もよくない時期でしたし、
それに加えてリーマンショックもあったので、最初は仕事がありませんでした。

そんな当時は、デザイン性のある作品を作ってアピールしたりと、
仕事をもらえるような工夫をしていましたね。

【↓ハイヒールやスニーカーに漆器を施した作品】

ただ、2014年頃から木地職人としての依頼は増えており、
現在も全国各地から仕事の依頼が沢山きます。

今は木地職人としての仕事が6~7割、
作家などの他の仕事が3~4割という感じでしょうか。

最近では、国内の景気に左右されすぎないように、
石川県と協力しながら中国へ営業に行ったりと、販路拡大を目指しています。

Q4 研修生時代を振り返っていかがですか?

あの時は、生活費を稼ぐために研修しながらバイトしていたので、
なかなか大変でしたし、早く独立して漆器でお金を稼ぎたいと思う事もありました。

ただ、独立した今では、売上や営業の事なども考えなければいけないので、
研修生時代の、「ものを作る事だけに注力できる環境」は、凄く恵まれていると思います。

Q5 これから伝統工芸を始めたいと考えている移住者に一言。

この石川県加賀市は木地職人のまちと言われており、
こんなに多数の木地師が存在する場所は他にありません。

一生の仕事と考え、焦らず、コツコツとやっていくのが良いと思います。

 

【木下富雄さんのFBページ】

【世襲じゃない工芸家集団”IKON”のFBページ】


取材後記:
今回、初めて挽物轆轤(ひきものろくろ)研修所を卒業した方とお会いする事が出来ました!実際に作業されている工房や完成した作品を目の当たりにして、改めて伝統工芸を誇りに思います。光が漏れるほどの薄引きの器でも、水を注いで染み出る事はないそうです。それを全て手作業でやっているという素晴らしさ。想像も出来ない技術が詰め込まれています。他では聞けない話をしてくださって、本当に感謝です。木下さん、有難うございました!

/研修生募集について詳しい記事はコチラ/

大学卒業後、ファッション通販サイトの運営会社に入社。
その後の2016年7月、結婚を機に東京を離れる事を決意し、この石川県加賀市に移住してきました。
現在は移住コンシェルジュとして活動中。
石川県加賀市への移住を検討されている方に向けて魅力を発信しています!
移住体験ツアーなども随時受付中。お気軽にお問合せください^^

詳しい自己紹介はコチラ!