【エリア紹介】石川県加賀市に今も残るミニマム城下町「大聖寺」の再生と挑戦の行方

歯止めが効かない人口減少に呑まれ、消滅可能性都市と呼ばれる石川県加賀市

そんな加賀市を逆に面白いと感じ、移住を検討されている方に向けて、
今日は一歩踏み込んだエリア紹介していきたいと思います。

※そもそも「石川県加賀市とは?」いう方はこちらの記事をどうぞ。
https://kagagurashi.com/hello/

かつては十万石の城下町・大聖寺(だいしょうじ)とは

大聖寺は、加賀百万石の支藩・大聖寺藩として、
かつては十万石の城下町として栄え、歴史と伝統文化が今も息づく町です。

江戸時代からの町割りや町名がそのまま継承されている事や
北陸新幹線で一世を風靡した”兼六園”を模して造成されたといわれる
大名庭園が残されている所からも、その片鱗を随所に感じることができます。

また、市役所や駅もこのエリアにあります。


(昔ながらの町家も残る)

栄枯盛衰、悲しき大聖寺の姿

昭和50年代までは市の中心として栄えていた大聖寺ですが、
郊外型店舗の進出、車社会の到来により、
大聖寺の中心市街地は徐々に衰退していきました。

さらに、高齢世帯の増加と家屋の老朽化、空き家の増加など、
貴重な町並み景観やコミュニティの維持までが危ぶまれ、
そもそも地域として持つべき「活力」が落ちてしまっている状況でした。


(当時を振り返る市担当者と大聖寺に住む住民)

迎えた転機、いまなお続く町屋再生事業のはじまり

平成17年当時、加賀市建設部に「町屋再生室」が設されました。

当時、担当していた眞田茂樹氏はこう語ります。

「町屋再生室という看板はあるものの予算は0円。
途方に暮れながら、藁にもすがる思いで都市再生モデル調査に応募しました。
ゴールディンウィークにも関わらず、モデル調査募集要項と睨めっこした記憶が蘇ります。」

努力の甲斐あって、応募した”全国再生モデル調査”に見事採用。

587件中156件しか採用されない高倍率をくぐり抜け、大聖寺が再生モデルに選ばれました


(昔の大聖寺を語る市担当・眞田氏)

次々と蘇る町屋たち

再生モデルとして選ばれた石川県加賀市では、
その追い風を受け、現在まで継続して町屋再生事業が推進されています。

町屋再生事業(まちづくりファンド事業)…
大聖寺地区内に残る町屋などの歴史的建物を対象として、
外観の修繕や構造の補強、賑わい創出に貢献する施設への改修する場合の
費用の一部を支援する補助制度。
(加賀市公式ページ)詳細ページ

こちらの事業は、加賀市でも大聖寺だけに適用される特別なもの
町屋の再生と賑わい創出を検討されている方に、是非知って頂きたい取り組みです。


(町屋再生事業を利用し、リノベーションした物件)

大聖寺エリアで活躍している人々

大聖寺エリアは、時代の背景や現在の支援体制もあいまって、徐々に活気が戻っています

このサイト「加賀ぐらし」でも、大聖寺の町屋再生事業を利用し、
実際にリノベーションを手掛けた方に取材しています。

町屋再生事業を利用した方のインタビュー
https://kagagurashi.com/post-3/

奥深い大聖寺の底力

大聖寺のかつての商店街、町屋がズラリと並ぶ通りの
一軒の玄関をたたくと、こっそりとお家の庭に案内していただく事ができました。

進むと奥へ奥へと広がる見事な庭園。

うなぎの寝床と呼ばれる町屋は、間口が狭く奥に長いといわれています。
その奥行きを利用して作られた庭園は、表からは決して見つける事ができません。

「これが大聖寺の底力だね。」

当時、大聖寺の町屋再生を担当していた眞田氏と住民の方が笑顔で語ってくれました。


(これほどの庭園が表からは分からないというのが大聖寺らしさ、奥行きのある素晴らしい庭園)

大聖寺エリアを体験しよう!

石川県加賀市は、移住・定住を促進しており、
大聖寺エリアにお試し体験の家を設けています。

暮らし体験プログラムのページはこちら

【対象者】加賀市への移住を検討されている方
【期間】1泊2日~1か月程度
※実際の日程、滞在先は、ご相談・ご都合に合わせて決定します。
【利用料】無料(但し、宿泊施設の利用をご希望の場合は有料)
※交通費、現地での食事、布団レンタル等の生活費や施設における各種体験料は実費。

大聖寺の暮らしを体験してみたい!という方、是非一度足を運んでみませんか?