【石川県加賀市】地元のおばあちゃんを独りにさせない!宅配弁当「イノチのたね」を通じて地域をつなぐ夫婦のはなし

宅配弁当 イノチのたね

冷凍食品・化学調味料を一切使わず、地物を沢山使ったお弁当屋さん。

2017年よりスタートした同店は、
週2日限定で出張配達し、宅配を通じて地域の繋がりを増やしている。

お母さんが家族に作るお弁当のように、
素材を生かし、愛情がたっぷり詰まった「イノチのたね」弁当は、
すでにファンも多く、1か月分をまとめて注文するお客様もいるほど。


(調理場がある「たんぽぽの家」の近くで)

【作り手】林ご夫妻

夫・昌則さん

石川県加賀市出身。

高校卒業後、ボクシング・空手・格闘技の道に進んだ後、
40歳を前にヨガ・空手教室や自然体験を手掛ける「学びの小屋」をオープンさせる。

将来は、自然豊かな場所に囲まれ、お金がいらない持続可能な生き方をしたいと、
45歳のときに加賀市内の山間部である東谷エリアに移住し、
自ら田畑を耕しながら、子供むけの自然体験や山奥カフェ、ひきこもりの更生などに関わる。

52歳、宅配弁当「イノチのたね」を奥様とともにオープン。

妻・明美さん

京都府出身。幼少期に加賀市へ引っ越す。

給食のおばちゃんをしていた28歳のときにヨガと出会い、
マクロビオティックや自然食に興味を持つ。

37歳の結婚を機に、職場を退職し夫と共に活動をスタート。

現在は、夫の活動であるニートひきこもり支援や
加賀市東谷エリアでの自然体験合宿、ヨガインストラクター、
宅配弁当などを行いながら地域の人たちとのつながりを大切に活動中。

Q1 宅配弁当をはじめようと思ったきっかけは?

45歳の時から加賀市の山奥にある東谷エリアで活動していますが、
ここは限界集落と呼ばれ、一人暮らしのおばあちゃんやおじいちゃんが沢山います。

そこに住むおばあちゃん達に「何か困ってることはないか?」と聞くと、
彼らは決まって「話し相手がほしい」「さびしい」と言います。
また、料理を食べてくれる相手もいないのでインスタント食品で済ませたりしてるんです。

そんな現状をしって、体や心に優しい手作りお弁当を作り、
それを直接配達することで、その二つのニーズに向き合いたいと思いました。

「身近にいるおばあちゃんを助けたい」というのが、
宅配弁当・イノチのたねをスタートさせたきっかけです。

Q2 ”イノチのたね”ならではのものを教えてください。

母の気持ちでお弁当を作っていることでしょうか。
届ける人のことを思って「元気になってほしい」という思いを込めて作っています。

お弁当を届ける相手には、自分よりもずっと年上のおばあちゃんも多いですが、
”お母さんが家族につくるようなお弁当を”というのは私達が大切にしている事です。

Q3 味について、試行錯誤はありましたか?

化学調味料は使わないため、麹や味噌は自分たちで作ったものを使用し、
素材の味を生かした味付けを心がけています。

10種の雑穀ごはんや、メイン・副菜などのおかず三品を組み合わせた、
健康的なメニューを日々提供していますね。

Q4 どんな方にお弁当を届けたいですか?

まずはおばあちゃんやおじいちゃんに届けたいです。

寂しい思いをしている高齢者の方々に対して、
お弁当を通じて人との繋がりや暖かい気持ちを感じて貰いたいですね。

配達に行ったとき、少しお話するだけで笑顔になってくれたり、、、。
そういう瞬間は、こっちまで元気をもらえます。

Q5 今後はどんな活動をしていきたいですか?

キーワードは”つながり”だと思っています。

殺伐とした社会や時代でも、つながりがほしいと思っている人は必ずいて、
1人では無力だったとしても、皆で助け合っていくことで大きな力が生まれるはずです。

誰でも役割があるはずなので、一方通行に「○○してあげる」「してもらう」ではなく、
お互いに与えあって助け合える地域を作っていけたらいいなと思います。

イノチのたね
住所:石川県加賀市山中温泉市谷町イ47
電話:070-5633-5628
※お弁当は毎週火・金の週二日制です。ご希望の場合は希望日の前日正午までにご連絡ください。
※山中方面以外のお届けについてはご相談ください。


(林さんが企画した子供むけサマーキャンプ。地域との交流も多い。)