シフトダウンな生き方を。夫婦でゆったり営むカフェ「coya-p」とは。

石川県加賀市に、夫婦で営むカフェcoya-pがあるのをご存知でしょうか。
なんでもない住宅街にちょこんと佇むそのお店は夫婦で営む素敵なカフェでした。

coya-p(コヤピ)

”小屋プロジェクト”という名前から名付けられたこのお店は、
奥様が生まれ育った生家の跡地を、ご自身が55歳の時にリノベーションしてオープン。

「老いを重ねると暗くなる時もあるけれど、ここは心をポンと弾けさせられる場所」

そう笑って話すご夫婦の言葉通り、月に半分ほどの営業日には、
地域のママたちが編み物をしながら羽を休めたり、
ご夫婦の同級生が市外・県外から遊びに来て懐かしい話をしたり…。

温かみのある家具、暖炉、心地よい音楽に、窓から見える手作りの庭。
ワクワク楽しげな雰囲気がありながらも、同時に心までゆるまるこのカフェは、
今日も多くの人の憩いの場となっている。

野崎ご夫婦

夫・信之さん

石川県金沢出身。

金沢で舞台制作の会社に従事し、58歳の時に早期退職を決意。

「老後、どんな生き方をしたいか」と考えた時に、
若い時から好きだったという料理や音楽への想いも重なり、
現在もフリーで舞台監督の仕事を受けながら、奥様と共にcoya-pを営む日々。

妻・喜美枝さん

石川県加賀市出身。
高校卒業後、大阪へ進学し、その後金沢で就職。

結婚後、お子さんが生まれたことをきっかけに、30歳で加賀市にUターン。

自ら紙器工房ナガイを営み、月の半分ほどをcoya-pの営業にあてる。

Q1 coya-pのコンセプト教えてください。

看板に小さく「paradise and lunch」って書いてあるんですが、
この場所が自分たちや誰かにとってパラダイスになってほしいと思っています。

もともと音楽好きの夫婦で、若い頃にそんなタイトルのCDを聴いていて。
これが今も凄く好きなので、そのままコンセプトにしました。


ご夫婦思い出のCD


看板にも「paradise and lunch

Q2 もともとカフェを始める計画をしていたのでしょうか。

特にきっかけがあった訳ではないのですが、
この場所はもともと私が生まれた家があったところで、
ずっと使われずに空き地になってて、雑草もそこら中に生えてたんです。

だから自分の中でも考えると心が重い場所になってしまっていて。
そんな場所だからこそ、プラスに転換して活用したいという気持ちはずっとありましたね。

カフェをスタートさせると決めてから、構想〜工事終了まで2年くらいかかりました。


大事に手入れされていることが伝わるお庭

Q3 ここは土蔵をリノベーションしたとか?

そうなんです。

生まれ育った家はもともと解体済みで空き地になっていたのですが、
築100年以上になる土蔵だけは敷地内にずっと残っていて。

それを設計士さんたちと手壊しして、
使える具材や古材はそのままカフェに使っています。


「この床材も100年以上前のものなのよ」と教えてくれました

Q4 奥様が55歳の時にオープン。躊躇はなかったですか?

今、母親も80歳になります。
有難いことに元気なんですが、いつかは介護などもきっとする事になると思うんです。

だからこそ今の時間を大切にしようと思っていて、
「老後をどうしよう、どんな生き方をしよう」と夫婦で話して決めました。

若い人たちで志を持っていたり、目標に向かって頑張っている人も沢山いますし、
「私たちでも出来るんだから、自分も出来る」と思ってもらえるような場所にしたいですね。


お客さんとお友達のように話す喜美枝さん 

Q5 お店を使ったイベントも沢山されてますよね。

定期的にやっているものもあれば、展示スペースとして使っていただく場合もあります。
例えば、定期的にやっているのは「編み物部」!

coya-pで編み物していただくシンプルなイベントなんですが、
発案は常連のお客さんでした。

家の話や子供のこと、編み物をしながら話すことでいつもより心が緩んだりして、
そういう場所をcoya-pで提供できているのが幸せですね。


取材時はちょうど写真展が開催中。様々なイベントを行なっている。

Q6 これからどんな人に来てもらいたいですか?

ジャンルを決めないのが、うちのルールなんです!
だから誰でもウェルカムですよ!

歩いて来てくれるおばあちゃんやおじいちゃんはもちろん、
実際、登下校中の小学生がひょこっと覗きに来てくれたりもするんです。

そんなのも大歓迎。フリーです!(笑)


入ってすぐの看板には「イラッシャイ」の文字

Q7 coya-pの今後の展開や目標があれば教えてほしいです。

地域の人やお客さんが気軽に声を掛け合える場所になってほしいです。

カフェと言ったら、お金を払ってコーヒーを飲んで、というイメージもありますが、
coya-pの場合にはそれだけではなくって、ここに来ることで繋がりが生まれたり、
新しい出会いがあったり、そんな場所になって欲しいと思っています。

心を「ポン」と弾けさせたい方、ぜひ緩まりに来てください。


ご夫婦とそのお友達のみなさま。

coya-p

住所:石川県加賀市山中温泉上原町ル26番地
電話:090−1632−6576

facebook:https://www.facebook.com/coya-p-1554176488158607/?ref=br_rs