【山ん中たまご園】平飼い養鶏家が地産地消で循環型社会を実現する暮らし

山ん中たまご園

石川県加賀市の海沿いで営まれる平飼い養鶏園。

2015年から本格的にスタートし、現在3年目を迎える。

一般に普及されるケージ飼いの鶏とは異なり、
土の上を毎日元気に走りまわり、地物中心の餌を食べる”山ん中たまご園”の鶏たち。

愛を込めたその卵は、少量生産でありながらも共感するファンが多く、
地元の直売所に出せば即完売、また人気カフェやレストランでも提供されるほど。

【生産者】堂下ご夫妻

夫・慎一郎さん

石川県加賀市生まれ、加賀市育ち。

「食に責任をもった暮らしを。」という決意のもと、
新規就農者として平飼い養鶏をスタートさせる。

一方、漁業準組合員としての顔も持ち、海の幸を素潜りで取ることも。
夏には地元の海水浴場で浜茶屋(海の家)を営業し、確かな食を直接提供し続ける。

妻・亜也さん

大阪府出身。
世界の田舎を旅する中で慎一郎さんと出会い、結婚を機に加賀市に移住。

二人のお子さんを育てる一方で、「作り手の顔が見える食」の提供・浸透にも注力し、
地物を伝えるイベントの開催など、地域に根付く情報発信を積極的に行う。

Q1 ”山ん中たまご園”ならではのものを教えてください。

鶏たちに与える餌です。
養鶏を始める時、わざわざ鶏の餌として作られた市販のものを
あえて購入して与える、という流れに疑問がありました。

それならば、既存の餌には頼らず、地元の農家や加工会社で本来捨てられるはずだった
食品残渣を餌として与える事で、健全な地域循環に貢献したいと思ったんです。

また、殆どの場合、市販の餌には酸化を防ぐための抗酸化剤が入っていて、
それは卵にも残ってしまう場合もあるといわれています。

”山ん中たまご”ではそういった心配もなく、
平飼いで本来の習性を満たしながら過ごす鶏は、健康的な卵を産んでくれます。

Q2 ゼロから養鶏家に。苦労されたことを教えてください。

結婚を機に農業関係に進みたいと思い、
福井県の農業法人で1年2ヵ月ほど働きました。

そこで平飼い養鶏に出会い、「これだ」と思って独立の時も養鶏を選びました。

新規就農の際にはトータルで150万円程かかっていると思います。
大工の父を筆頭に、家族で協力しながら土地の開拓や小屋建てをしましたね。

その後、青年就農給付金の申請も通り、経営の安定を目指しています。

青年就農給付金(経営開始型)・・・

原則として45歳未満で独立就農する方を対象に、
年間最大150万円、最長5年間の給付金が支払われる制度。

Q3 味についても教えてください。

加賀市で飲食店をしている方に味見してもらうなど、
地域の皆に協力してもらいながら出来上がった味です。

また、職業柄、自分たちで鶏を絞めて食べることもありますが、
他でこんな美味しいもんは食えんな、と思います。

そういう食材が身近に食べれる場所が、”山ん中たまご園”なんです。

Q4 どんな方に”山ん中たまご”を届けたいですか?

一番は家族と自分の子供に食べさせたいです。

そして、妊娠中・授乳中のお母さん達や、
味覚が形成される前の子供たちにも是非食べてもらいたいですね。

自分たちは、「身土不二(しんどふじ)」という言葉を大切にしていて、
「身体と土は切り離せないもの」と思っています。

ここに住んでいるからこそ、ここで出来たものを知ってほしいんです。

インターネットがある時代、遠い地で育てられた無農薬野菜や食材が、
東京などでも高値で売られていますが、私達の卵は地元の人にこそ食べてもらいたいです。

Q5 地物の普及・浸透に向けてどんな活動をしていますか?

”農活(のうかつ)”と呼ばれるイベントを去年からスタートさせました。
そこでは志のある農家の生き様や作物を共有し、時には食事会なども開催しています。

そして今年、一歩先の段階として”篝火夜市(かがりびよいち)”を実施します!

土を尊び、作物を作ることに力をそそぐ人達を、
より多くの人に知ってもらう機会」という間口で提供していくイベントです。

(篝火夜市公式サイトはこちら)

Q6 地物で地域を盛り上げたい人に一言。

石川県加賀市は魅力だらけの場所だと思っています。

ただ、残念な事にその魅力に気づいていない人も沢山います。
こんなにも資源に溢れている場所という事にもっと皆に知っていってもらいたいです。

そのきっかけに”山ん中たまご園”がなれれば…。

山ん中たまご園
責任者:堂下慎一郎
連絡先:090-8262-0964
住所:石川県加賀市黒崎町ヌ100-甲
※お買い求めの際は、事前にご連絡をお願いします。

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