加賀生麩工房 ふぜん
1972年、石川県加賀市で生麩、葛豆腐の製造・卸業者として創業。
その後の2012年、時代の背景を読み”生麩対面販売”のお店をオープン。
地元の素材を活かした”生麩×スイーツ”の新しい発想で
オリジナルメニューを創作し、新しい生麩の食べ方を提案すると同時に
店内のスペースを利用して様々なイベントを開催するなど、地域づくりの一面も担う。
山崎 留美子さん
石川県加賀市出身。現在三児の母。
高校卒業後、東京の大学に進学し、卒業後はアパレルの仕事に携わる。
その後、父の入院を機に12年過ごした東京を離れ、加賀市へUターン。
当時本業であった生麩の製造・卸業を手伝う一方で、
対面販売のお店を自ら手掛け、「加賀生麩工房 ふぜん」をオープン。
Q1 卸業から販売まで。販売を始めたきっかけは?
時代の流れが変わってきたこと、そしてもっと沢山の人に
生麩・葛豆腐を知ってもらいたくて対面販売をスタートさせました。
私がUターンしてきた頃は、加賀市の観光業が今よりもっと盛んで、
メインの卸先である旅館さんからも沢山の依頼を日々受けていました。
ただ、時代の流れと共に卸業の仕事も減少し、
もっと一般の人に”生麩・葛豆腐”を身近に感じてもらいたいと思うようになり、
第三子が1歳の時に思い切って対面販売のお店をオープンさせたんです。
Q2 ”生麩×スイーツ”を手掛けた背景を教えてください。
元々、おかずとして使われる事が多かった生麩ですが、
お店をオープンさせるにあたり、御茶請けとして食べていただけるような、
和菓子感覚の”創作生麩”を開発することになったんです。
イベントを開催するときには「イベント限定のメニュー」を作ることもあります。
例えば、一周年イベントが丁度バレンタインデーに行われることになったので、
その時は生麩の白ぜんざいを提供して大変好評でした。
スイーツだと、ショーケースから選ぶ楽しさもあるので、
目と舌で楽しんでもらえるメニューを日々考えています。
Q3 様々なイベントを積極的にひらく理由は?
イベントを開催することで、沢山の人にふぜんを知っていただき、
「加賀でも生麩・葛豆腐が買える」ということをアピールしたかったんです。
その先には、加賀を盛り上げたいという気持ちがあって、
様々なジャンルの方や、珍しい食材とコラボしていくことで、
加賀市の底上げができれば、と思っています。
Q4 ”ふぜん”で大切にしている事は?
出来るだけ地元の食材を使うようにしてます。
もちろん基本は大事にしつつ、「こんな組み合わせも?」と
驚いてもらえるような表現を出していって、”onlyふぜん”を作っていきたいです。
また、うちの製品は保存料を一切使っていません。
そのため、賞味期限も短いですが、
”本当に美味しいものは、時間が経てば美味しくなくなる”という事を、
しっかり感じて食べていただきたいですね。
世間では、賞味期限が長く、味も美味しい食品が売られていますが、
本来の美味しさというのは、儚いものだと思っています。
私たちはそれを伝えていきたいですね。
Q5 今後の展開・目標を教えてください。
ふぜんでしか食べられないコースメニューをやってみたいですね。
今は、デザート・スイーツといった一品ものの提供が多いですが、
将来的にはメインや前菜にも生麩を利用したストーリーのある食事を
提供していければいいな、と考えています。
Q6 最後に、どんな人たちに食べてほしいですか?
地元の人にこそ食べてもらいたいです!
創業してから45年が経ちますが、まだまだ知らない人も多いです。
対面販売やイベントを通じて引き続き提供していければと思っていますので、
地元の人に、地物の生麩を是非味わってもらいたいですね。