大切な人に思わず教えたくなる小さな和食屋さん”さえ季”がオープン。

昨年の夏、石川県加賀市にまたまた素敵なお店がオープンしました。

肩肘張らずに美味しい和食がいただける、そんなお料理屋さんです。

さえ季

2017年8月、旬のお料理とお酒をゆっくり楽しむ和食料理店としてオープン。

加賀温泉駅から徒歩10分ほどの好立地に位置する同店は、
白を基調にまとめられた外観と、落ち着いた店内が印象的。

「地元の食材や旬を大切に。ゆっくりと寛げる空間でありながら、
気軽に利用できるようなお店にしたい。」と話すオーナー。

大切な人に思わず教えたくなるような同店の雰囲気に惹かれ、
オープンして半年ながら、足繁く通う地域の常連さんもいるほど。

佐伯 真さん

石川県加賀市出身。高校卒業後、大阪の調理専門学校に進学。

専門学校卒業後、京都の老舗料亭で修行を積んだ末、
地元へUターンして和食居酒屋に就職し腕を磨く。
その際に料理長の任も務め、運用や集客、教育などの経営に関することについても管理。

自身が37歳のとき、学生時代から志していた独立を決意し、
2017年の8月に地元で「さえ季」をオープンさせた。

現在、3児の父でもある。

Q1 さえ季の味わいどころを教えてください。

まずお料理でいえば、”旬を提供する”という和食の基本をとても大切にしています。

今では、年間を通して手に入る食材が多くなってきていますが、
生きている食材にはやはり旬があります

その時期にしか味わえない美味しさを感じてもらえるお店でありたいです。

Q2 和食で勝負!割烹や料亭とは違うのでしょうか。

割烹や料亭と比べて肩肘張らずに気軽に使っていただけるお店です。

外観や”さえ季”という店名から、敷居が高いお店と思われがちですが、
全然そんなことはないんですよ。


正面からみえる”さえ季”の灯り看板

”和食店”というと、高いイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、
さえ季では気軽な居酒屋メニューもあれば、会席料理で出てくるような一品もあり、
ちょっと美味しいものを食べたいな、という方にもふらっとお越しいただきたいです。

若い人たちにも、これまで少し遠かった和食を身近に感じてもらえるようなお店を目指しています。


かぼちゃと海老とチーズの春巻きなどの創作料理もメニューに並ぶ。
イギリス産の岩塩を添えて提供しているとのこと、もちろん美味しい。

Q3 地元でオープンを決めたきっかけは?

石川県加賀市には、海の幸、山の幸など新鮮な食材が豊富で魅力が沢山あり、
「独立するなら地元で」とずっと決めていました。

京都での修行後、知り合いから誘っていただき地元に戻ってきましたが、
二番目の子供が小学校に上がったら独立したいと思っていたので、
40歳を前にして独立することにしました。


佐伯さんのお爺様が輪島塗の職人とのこと。お爺様が手掛けた器でお料理を出してくれる。

Q4 物件はどうやって見つけたんでしょうか?

物件は不動産経由で決めました。

いろんなエリアや物件を見てまわるなかで、
パッとこの物件がタイミングよく空き、「これだ!」って即決でした。

その後、県内の建築事務所の方と相談しながら
余計なものを削ぎ落としたシンプルな店内にリノベーションしたんです。

内装の家具や”さえ季”のロゴは地元の方に頼んだものです。
素敵なしつらえにしていただきました。


落ち着く店内 家具は全て地元の家具職人が手掛けたもの

Q5 地域との関わりはありますか?

正直、お店がある加賀温泉駅エリアはこれまであまり関わりがない地区だったんですが、
”さえ季”をオープンしてからは近隣住民の方に本当によくしてもらっています。

地域の会合の後に来ていただいたり、「あんちゃん、頑張れや!」と声をかけてもらえて
地元の方から温かいムードを作ってもらえたのは嬉しかったです。


オープンした頃の様子を話してくれる佐伯さん

Q6 これからチャレンジしたいことはありますか?

”さえ季”が大切にしている旬へのこだわりや、
料理へのひと手間・ひと工夫をもっと沢山の人に知ってもらいたいなと思っています。
若い人たちにも気軽に来て欲しいですし。

あと今はまだディナーだけなのですが、ゆくゆくはランチに挑戦したいです。
あとは地物を使った物販なども企画できたら…。

加賀市は観光都市なので、旅行に来られたお客様がランチで”さえ季”に寄っていただいて、
そのままお土産として物販もお求めいただけるような循環が生まれたら嬉しいですね。


肉厚な鯖棒鮨も絶品

Q7 これから加賀への移住を考えている方に一言。

人口が減っている町ではありますが、その分人の繋がりがある場所だと思います。

新鮮でおいしい魚も野菜も小さい頃から当たり前の様に食べていたものが、
他県に出てみて加賀市がどれだけ恵まれた環境だったのか気づかされました。

これからも色んな方と出会って、沢山のことにチャレンジしたいです。


お爺様が残した九谷焼のお猪口たち。加賀の文化を感じられる器もさえ季の楽しみの一つ。


”さえ季”のロゴの前で。

さえ季

住所:石川県加賀市小菅波町1丁目147-1

電話:0761-75-7948

営業時間:17:30~23:00(日曜定休)

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取材後記:さえ季さんは大通りに面しているお店で、周囲のお店は大きな看板を掲げているところも多いのですが、そんな環境の中で小さな灯り看板ひとつをポッと照らしているさえ季さんの雰囲気は本当に新鮮で格好良く、オープン直後から前を通るたびにずっと気になっていました。オーナーである佐伯さんが「潔いものが好きなんです」とお話ししてくれましたが、まさにそんなお店です!心を休めたいときに行くのもよし、何より大切な人に教えたいお店です。コースだけではなく一品ずつの注文もOKなので、佐伯さんが語ってくださったように「お気軽に」ぜひ行ってみていただきたいです!