【地域が生んでくれた仕事】地酒で地域貢献を目指す女性が語る”加賀”というまち。

こんにちは!山田(@konya_ga_yamada)です。

石川県加賀市には地酒の持つ文化や伝統を誇り、
それを県外・国外に伝えようとしている女性がいます。

2018Miss SAKE ISHIKAWA準グランプリ 大中名槻さん

石川県加賀市出身。
高校を卒業後、神戸の短大に進学し食物栄養学を学ぶ。

その後、短大卒業を機に「家族の近くで助けあう暮らしをしたい」と加賀市にUターン移住。

特別養護老人施設の栄養士、玄米料理屋などの「食」に関する仕事に携わるなかで、
「地元の食に対する知識をもっと深めたい」という関心が高まっていく。

そして2014年に地域の観光PRプロジェクト・LADY KAGA(※)のメンバーに。

加賀市を県外・国外へアピールするうちに、地酒のもつパワーを強く感じ、
現在は培ってきた知識や資格を活かしたコーディネート業務やPRなど幅広い活動を個人で行う。

LADY KAGAとは…

加賀温泉郷の情報発信、おもてなし向上を目指し立ち上がったプロジェクト。
インターネット・新聞・雑誌・メディアなどを活用したPR活動や、各種イベントの主催・協力など、情報発信・宣伝活動を通じて加賀温泉郷の魅力を県外に伝えていく。

URL:http://ladykaga.me/

ー 具体的な活動を教えてください。

石川県の観光・地酒のPR活動がメインです。

県内外で開催されるイベントに参加して日本酒をご紹介することも多いですし、
県外からの視察や訪問があった際には、司会進行役を任せていただくこともあります。

また、石川県内の酒蔵見学も定期的に行なっていて、
時には海外の方を対象に地元の酒蔵見学をコーディネートしています。

今はリクエストがあったら対応している状況なんですが、
ゆくゆくは酒蔵見学ツアーなども企画していきたいなと思っています。


イベントで地酒を紹介する大中さん

ー 日本酒をテーマに活動を始めたきっかけとは?

LADY KAGAのお仕事で、シンガポールの和食レストランで働きながら、
加賀の食・観光の紹介を行うというイベントがあったんです。

そこで、加賀の地酒である松浦酒造さんのスパークリングの日本酒をご紹介した時に、
海外の方がすごく感動してくださって。

ワイングラスで日本酒を飲む姿を見ながら、純粋に素敵だなと思ったんです。

帰国してからすぐに「日本酒 PR 仕事」って調べて、
そしてミス日本酒のオーディションを受けようと決めました(笑)!
それが今の活動の始まりだと思います。


着物でPRすることも多いそう

ー 酒蔵見学は自主的に計画して行なっていると聞きました。

”日本酒は生き物”と言われているように、私たちの手元に届くまでに
各酒蔵さんとも大変な苦労をされて育てていらっしゃいます。

まだ巡れていない酒蔵もあるのですが、ご縁があったところに伺って
想いやこだわりを学ばせてもらっています。
酒蔵見学をするとより好きになっていきますね…!

4月〜5月には新酒発表に合わせた酒蔵開きをやっているところもあるので、
そういうイベントに参加させていただくことも多いです。

一人で行くこともありますし、それこそ海外の方を連れて行くことも。
海外の方からみると酒蔵は新鮮で、みなさん凄く喜んでくださいます。
そういう機会ももっともっと増やしていきたいですね。


酒蔵を実際にみてまわる大中さん


ひとつひとつ丁寧に試飲


酒蔵が作る自家製米の田んぼで話を聞く

ー 好きなことを追求されて今の仕事に繋がったんですね。

そうですね。
加賀に戻ってきて人生が変わりました(笑)。
短大の時にはこうなると全然考えていませんでしたから。

やっぱり好きなことだと、自分も前のめりに学ぶことが出来るので、
2017年には国際利き酒師の資格も取得しました!
やっぱり海外の人にも日本酒の文化や歴史を知っていただきたくて。

そして地酒をPRするには、日本酒以外の知識も必要なんです。
器だったり、地域風土だったりなど。

なので今は、加賀の伝統工芸である山中漆器や九谷焼の勉強もしていますし、
私たちの生活に欠かすことの出来ない温泉のことも学んでいます。


「地元の食に関心を持たせてくれたのはここのおかげ」と、かつてアルバイトしていた玄米料理屋”玄命庵”を紹介してくださいました

ー これからチャレンジしたいことはありますか?

地酒の良さを私なりの形にして応援したいなと思っています。

例えば、私はいま石川県の伝統工芸でもある水引をハンドメイドで作っているんですが、
「お酒×水引」で何か出来ないかなと構想中です。

あとは、これまで以上にマルチに活動していきたいです!

司会業であったり、コーディネーター業であったり手段は様々だと思いますが、
片足は加賀、もう片足は県外や海外という感じでバランスよくアンテナを張って、
地元の良さをもっともっと外の人たちにPRしていくのが目標です。


大中さんが手作りした水引。加賀のシンボルでもある鴨をモチーフにした水引も(右)

ー これから加賀を訪れる方に一言ください。

加賀は、型にはまっていない人が凄く多いなと思う場所です
自発的に行動したり、何かしたいなって考えている人が沢山います。

人と変わったことをすると、批判されたりすることもあるかと思いますが、
加賀ではそれが逆にうけたり、「あの人面白いね」と言ってもらえるんじゃないでしょうか。

私も最初は自分がMiss SAKEやLADY KAGAとして活動するとは想像もしていなくて、
でも人の縁や伝統部会地域性のおかげでいまこういう風な活動が出来ています。
まさに地域が生んでくれた仕事です

そんな加賀に興味がある方は、ぜひ一度訪れてみてくださいね。