有志から16年続く子育て支援団体へ。子育て世代を支える「かもママ」の想いとは?

人口減少が進む地方において、子育て支援に重きをおく自治体も増えています。

もちろん石川県加賀市も子育て支援に力を入れていますが、
子育て制度の紹介だけでは伝わらないことも多いはず…。

今回は、石川県加賀市で10年以上の歴史をもつ子育て支援団体「かもママ」さんに伺い、
団体設立の思いやこれからチャレンジしたいことを真摯に語っていただきました。

NPO法人かもママ

かもママは、石川県加賀市で活動している子育て支援団体です。

2002年に全国初の保育サポータークラブとして立ち上がった同団体は、
「子育て家庭へ、ほんのちょっとのお手伝い」をモットーに立ち上がりました。

そして2005年に特定非営利法人の認証を受け「NPO法人かもママ」が設立。
行政や地域と連携しながら更なる子育て支援団体へと歩みを進めます。

発足してから16年、信念を継続して貫くかもママの活動は大きな支持を受け、
現在は妊娠期・子育て期の支援はもちろんシニア世代の支援も包括的に行い
複雑な現代を楽しく暮らすための様々な後押しをしています。

理事長 河原廣子さん

石川県加賀市出身。高校を卒業した後、金沢の専門学校へ進学。
卒業後は歯科衛生士の仕事に就きながら20歳の時に結婚、そして第一子を出産されます。

その後、転勤の多かったご主人の仕事に合わせて、金沢や加賀など県内を転々としながら、
第二子・第三子を出産し、色んな地域での子育てを経験されてきました。

また、時間を経てから第四子にも恵まれたことで、20歳・22歳・24歳・37歳と
様々な年齢での出産や子育てを積み重ねてきた方でもあります。

2001年にご両親が70歳を超えたことをきっかけに加賀にUターンし定住を決意。

Q1 Uターン後、子育て支援を始めたきっかけは?

私が加賀市にUターンを決めた2001年は、ちょうど女性の社会進出が叫ばれていた頃でした。

そのため、働く女性のお子さんを預かって面倒をみる「保育サポーター制度」も
全国的な広まりをみせていて、私もそのサポーターに申し込んだのが事の始まりです。

しかし、制度としては存在していたものの、当時のマッチング率はわずか50%程度
子どもを預けたいお母さんは、自分でサポーターを探して予約するルールだったので、
なかなかハードルが高く「預けたくても預けられない」というのが実情でした。

そこで、同じ時期に加賀エリアのサポーターに申し込んだ同期12名でタッグを組んで、
「自分の地域のマッチング率100%を目指そう!」と仲介役を買ってでたんです。

それが2002年に全国で初めて誕生した保育サポータークラブでした。

Q2 任意団体からNPOへ。どんな思いだったのでしょうか?

当時はとにかく思いだけで突っ走ってましたね(笑)。
みんな持ち出しで会費を払って、月に1回は自宅で会議をして、広報も作ったり…。
でもなかなか理解されなくて、正直その悔しさも原動力になっていたと思います。

世間の動きが大きく変わったのは、当時地元で起きた無理心中事件がきっかけです。
人知れず育児の悩みを抱えたお母さんが起こした事件として、新聞でも取り上げられました。

私たちも「こんな事はもう二度とあってはいけない。もっと信頼される団体にならなくては。」と覚悟を決めてNPO法人の認証を受けるための舵をとりました。

決して楽しいだけではない子育てに日々向き合っているお母さんやお父さんに寄り添い、
誰にもいえない悩みや迷いを打ち明けてもらえるような拠り所でありたいというのは、
あの事件が起きてからずっと変わらない思いです。


地域住民の理解を得るため、かもママの記事は必ずスクラップし説明の際に見せて回ったという。

Q3 今はどんな事業を展開されていますか?

かもママでは、その時代のニーズに合わせて様々な事業を展開してきました。
昔は、「子育ては20年サイクル(※)だ!」なんて言われていましたが、
今では40年ごとのサイクルになっているので介護と子育てが一気に家庭に降りかかります

20年サイクル/40年サイクル・・・
その家系で子供が生まれるまでの間隔のこと。母と子供と孫がそれぞれ約20年間隔であることを「20年サイクル」、約40年間隔であることを「40年サイクル」と表します。

そんな現代では子育て支援とシニアの活躍を切り離して考えることも難しいため、
かもママでは「孫育て」や「シニア活動応援事業」など多面的な支援も取り組んでいます。


かもママが行なっている支援事業(全ての事業の紹介はこちらからご覧ください。)

Q4 特に伝えたい支援事業はありますか?

ひとつめは「地域子育て支援拠点事業」です。

地域で子育てしている人たちが気軽に立ち寄り、子どもと遊べるスペースとして
親子つどいの広場まんま」という場所を整備し一般に開放しています。

子どもたちが走り回ることができる遊戯室や絵本やおもちゃのご用意もありますし、
時にはサロンイベントも開催していますので是非広く知っていただきたいです。

同じ場所に、かもママの事務所もありますので、何かあればご相談いただくことも可能です。

もうひとつは、「ファミリーサポートセンター事業」です。
かもママでの原点である託児サービスで、地域の「預けたい」「預かります」 を応援します!

お仕事を休めない時等の預かりはもちろん、プライベートな事情でもお受けしています。
ライフスタイルがどんどん複雑に、そして多様になっている現代ですので、
「大変な時以外は預けてはいけない」といったルールや縛りはありません

気軽に相談して欲しいですし、活動をサポートする有償ボランティアさんも募集中です。

Q5 加賀市の子育てを支えて16年。変化は生まれていますか?

やはり人口減少の波には逆らえないなと感じます。

加賀市においても、廃園・廃校の話が出ているのは事実です。
私も加賀市で生まれ育った人間として、寂しくないといえば嘘になりますが、
それでも受け入れていくしかないと思って日々活動しています。

昔は半径10mのご近所づきあいを大切にしていたかもしれませんが、
これからは更に広い目を持って100m先のご近所づきあいを皆で作っていきたいですね。

できること、やれること、やらないといけないことに目を向けて、その上でどう楽しく暮らしていくか。

地域のお母さんたちも色んな工夫をして日々の生活を楽しんでいる方が多いなと思います。
かもママもそういう子育てを後押ししていく存在でありたいです。


おんぶしながらノルディックウォークを楽しむイベントを開催することも。

Q6 最後に一言お願いします!

石川県加賀市では、私たち以外にも様々な子育てサポートに取り組む団体や人がいます。

もちろん少子化や後継者不足などの課題も多々ありますが、
そんな環境のなかでも自分たちが出来ることを掛け合わせながら
皆で一緒に加賀の子育てを作っていければ嬉しいなと思っています。

子育ては一人でするものじゃありません。
たくさんの人の目・口・手を借りあって、支えながら育んでいくものなので、
思い詰めずにぜひかもママに遊びにきてくださいね!


市内外からの視察の問い合わせも多いそう。こちらは加賀市のまちづくり団体が見学にきたときの一枚。

特定非営利活動法人かもママ

住所:石川県加賀市下河崎町79-2 親子ほっとステーション

URL:http://kamomama.com/

TEL:0761-75-7933

ご案内:
本記事は、加賀市の人口減少対策室と共同で取材・作成をした記事になります。加賀市は、南加賀唯一の消滅可能性都市に含まれており、少子化という喫緊の課題を抱えていることは否定できません。そんななか、マイナスを受け止め前向きに地域で活動するお母さん・お父さんのパワフルさ、行政やNPOと上手に協働しながら自分たちの子育てをプラスに変えていく”子育て世代のしなやかさ”を色んな人に伝えたいと思い企画したのがこの記事の始まりです。実際に加賀市で子育てをしているご家族や子育て支援団体等のアドバイスをいただきながら、単なる支援制度の紹介では終わらない記事づくりを心がけています。この記事を通じて、加賀の子育ての1ピースが伝われば幸いです。