「加賀ぐらし」を運営する山田(@konya_ga_yamada)です。
2016年の12月ごろから、石川県加賀市では新しいプロジェクトがスタートしました。
”ポスト資本主義”の創造を目指した、
「Next Commons Lab 加賀(以下:NCLK)」というプロジェクトです。
このプロジェクトに携わる為、今、市外・県外から様々なメンバーが加賀に集まっています。
彼らが仕掛けようとしていることとは?そして加賀で過ごす日々はどんなものか?
今回は、同プロジェクトの中でも、
「スローツーリズム」をテーマに活動している二人に
取材させていただきました!
PROJECT 暮らしを魅せるスローツーリズム
「暮らすように旅する 旅するように暮らす」をテーマに、
情報誌やインターネットに出てくるものだけではない観光の在り方を提案。
その土地にどんな人がいるのか、どんな暮らしがあるのかを伝え、
場所だけではなく人とのつながりを育みながら過ごす旅を届けることで
もう一度訪れたくなるような体験を創りあげていく。
MEMBER
田中美紗斗さん
東京出身。学生時代からソーシャルビジネスに興味をもつ。
大学卒業後、広告会社に入社しプランナーとして
ブランディングからイベントの実施までを幅広く担当。
先祖が石川県加賀市の北前船の船主として活躍していた背景もあり、
幼少期にはよく加賀市を訪れていた。
そんな思い出深い加賀市でNCLKのプロジェクトが発足することを知り、
立ち上げメンバーとして2017年3月に加賀に移住。
現在は自身もプロジェクトを動かすメンバーとしてスローツーリズムの提案に携わる。
橋本浩司さん
石川県珠洲市出身。高校卒業後、京都の大学に進学。
大学卒業後は、家具・雑貨を国内で販売する商社に就職し
福岡(5年)→東京(2年)と場所を移しながら営業の仕事に従事。
東京でお祭りに参加した事をきっかけに、
「お祭を通して、地域を超えたつながりや地域のおもしろさ」を体感。
その一方で「地元のいまとこれから」に興味を持ち、県内に戻るタイミングを伺っていた。
そんな折、NCLKのプロジェクトを知り、2017年秋に石川県加賀市に移住。
将来は加賀から珠洲までつないだ県内全域のスローツーリズムの提案を目指していく。
Q1 現在はどんな活動をされていらっしゃいますか?
田中さん(以下:田):
私と橋本さんは、スローツーリズムという枠の中でも別々のテーマをもっています。
私の場合はウェルネスツーリズムをテーマとしているんです。
ダイアログとアクティビティを通して心身のリフレッシュ、自己発見、自己開発を促したり、
その土地の風土にも触れられるプログラムを提供していく予定です。
これまでは、どんなプロジェクトを立ち上げるかという視点で動くことが多かったのですが、
今はウェルネスツーリズムという視点で加賀の地域資源を改めて見直しています。
ウェルネスツーリズムとは・・・
「観る旅」「楽しむ旅」などの既存のツーリズムを、現代のニーズに合わせ「癒される旅」「心身をリセットできる旅」などのウェルス(健康)中心のツーリズムの事。
橋本さん(以下:橋):
僕の場合は、①祭・②食・③まち歩きを三本の柱として考えています。
その中で、まずは”加賀市の祭”や”加賀について”を何でも学んでいます。
最初の一歩として地域の方にご協力頂き、「祭学:御願神事」を企画したんですが、
みなさんから「自分のまちでも知らない事がたくさんあった!」、
「シリーズ化してほしい!」などの暖かいお言葉をもらいました。
お祭りは地域のものなので、それをどうツーリズムにつなげていくかが難しいところですが、
こういった取り組みを通じて地域を好きになってもらえるような設計を考えていきたいです。
橋本さんが2018年1月に企画した祭学の様子。
Q2 プロジェクトを進める上で、課題は感じていますか?
田:
もともと地元の者ではないので、私自身が知らない物事の方がまだまだ多くて、
それを知っていく作業がまず大切な事だなと思っています。
橋:
僕も同じですね。
加賀に来てまだ5か月ですが、沢山の方から加賀のことをいろいろ教えていただいてます。
でも、まだまだ知らないことが多いので、これからも楽しみです。
加賀の場合、エリアによって歴史や特徴も全然違うので、
色々な地域の方に参加していただけるイベントを開催して、
地元の人でも新しい出会いや発見につながる場をつくりたいなと思っています!
二人が共同で企画したPHOTOTALKというイベント。
様々な地域からの参加があり、情報交換の場にもつながったという。
Q3 加賀の地域資源はどんなところだと感じていますか?
田:
どこもフィールドになりそうだと可能性を感じていますが、
豊かな自然と温泉があることはウェルネスツーリズムをする上で素晴らしいと思っています。
もともと祖父が加賀で暮らしていたので、帰省のたびに良い場所だとは感じていましたが、
暮らしてみて改めて資源の多さに気づかされている日々です。
当たり前に生活しているところでも、五感を研ぎ澄ませると思いがけない風景に出会える。
GWには外部講師を呼んでイベントを開催するそう。
橋:
これは石川県全体でも言えることですが、やっぱり食と自然はすごいなと。
加賀には魅力的な山だけではなく海もあって、自然が本当に豊かだと思っています。
また2月には大聖寺の御願神事に参加させていただきましたが、
加賀にもまだまだおもしろいお祭がたくさんあるので、
ぜひ参加させていただきたいと思ってます!
温泉地のお祭なども大変な盛り上がりと聞いていますし、いまから楽しみですね。
橋本さんが実際に加賀のお祭り(御願神事)に参加した時の様子
Q4 加賀での暮らしのことも教えてください。率直にどうしょうか…?
田:
私は移住して来て一年経ちました!
当たり前ですが、東京にいた時とは全く違う日々を送っています。
東京の時は外に刺激を求めていましたが、
加賀の場合は「あるものをどう楽しむか」という考え方に変わり、
その土地土地の暮らしを楽しんでいるなと感じています。
橋:
たくさんの人によくしていただいていて、本当に感謝しています。
まだこれからですが、自分がやりたいことができる気がしています。
それで地元の方に恩返しができたらと思ってます。
「その土地、その人を知る事で好きになる」というのを凄く感じていて、
とにかく人に恵まれているなぁと。有難いです。
温泉も毎日入っています!(笑)
Q5 NCLKは、目安の活動期間として3年間が挙げられていますが、期間が終わった後のイメージなどはすでにありますか?
田:
私は他のみんなより先に加賀に来たので残りの期間は2年ですが、
このプロジェクトは任期後も続けていきたいと思っています。
加賀への移住を決意した理由の一つに「地域で何かしたい」というのがあるので、
そこは期間に捉われずにチャレンジしていきたいです。
橋:
まだきて5ヶ月なので、任期後の具体的なイメージはこれから創っていくところです。
ただ、「石川をもっと面白くしたい!」というのは変わらず追求していきます。
地元が石川なので、そのネットワークも生かしながら、
ゆくゆくは石川19市町全てをつなげるプロジェクトを創っていこうと考えています!
Q5 最後に、NCLKを応援している地域の方やこれから関わっていく方々たちに一言お願いします!
田:
プロジェクトを通して加賀観光の選択肢を広げられるのではと思っています。
目に見える成果がまだ出せていないのでNCLって何?と思われてもおかしくない状況ですが、
それでも見守ってくださる方がいることは本当にありがたいと思っています。
観光客という視点だけではなく、地元の方々も一緒に楽しんでもらえるような企画を
いろんな人と共につくっていきたいと考えているので、
ご一緒できることがあればお声がけいただけると嬉しいです!
橋:
まずはいつも気にかけてくださる地域の方々に“ありがとうございます!”と、お礼ですね。
「都会じゃないと出来ない」ことなんて本当はあまりないと思っているので、
やりたいことを支え合って共に創っていく環境づくりができれば良いなと思っています。
あいつ面白い事をしているなと思ってもらえるように
これからも加賀での暮らしや生業を楽しんでいきます。
まだまだ知らない加賀がたくさんあります。それを僕に教えてください!
そしてナニカを一緒に創っていきましょう!
どうぞよろしくお願いします!
Next Commons Lab 加賀 スローツーリズム
担当:田中(m-tanaka@nclk.jp)、橋本(musubi.0216@gmail.com)
取材後記:NCLKのみなさまは私と同じ地域おこし協力隊の制度を使って加賀に移住されてきている方々です。時期は異なりますが、同じ地域で活動しているのでいつも気になっていました!そんな中、ご縁をいただきスローツリズムのお二人の話を聞くことが出来て嬉しいです。ウェルネスやお祭りなど、様々な切り口があるスローツーリズムがこれからどう加賀に展開されていくのか、今から楽しみです!