こんにちは!山田(@konya_ga_yamada)です。
かつては年間300万人以上が訪れていた石川県加賀市ですが、
バブル崩壊・リーマンショックを経て観光客の減少が嘆かれています。
しかし、加賀の持つ文化や地域資源が途絶えてしまった訳では決してありません。
その事に気づき、加賀の魅力をもう一度多くの人に広めようと頑張る方がいます。
温泉ライダー プロジェクトリーダー 稲手 彰穂さん
石川県加賀市出身。
高校卒業後、海上自衛隊に入隊し、船上料理人として世界を巡る。
果ては南極行きの船に乗り、様々な国や地域を見るなかで「旅行」という文化に興味を持つ。
任期満了後に地元にUターン移住し、石川県加賀市の観光バス会社に入社。
バブル期からリーマンショックを経験し、加賀市の観光を常に一線で支えてきた。
2009年3月、38歳の時に勤務先の業務縮小を受け、
自身で旅行会社「ライオンズ旅行企画北陸営業所」を設立。
同時期、商工会議所を通じて地域との繋がりも生まれ、”加賀市”を自分事として感じるように。
そして2011年、加賀市の滞在型観光地を推し進めるべく、
「温泉ライダーin加賀温泉郷」イベントを立案、本年は7年目の開催を迎える。
ー 温泉ライダーin加賀温泉郷とはどんなイベントでしょうか?
石川県加賀市を自転車ライダーたちが巡り、
「自転車」「温泉」「加賀の幸」を一挙に楽しんでいただくイベントです。
加賀市は、時に加賀温泉郷と呼ばれるほど温泉文化が人々の生活に根付いています。
市内には山代・山中・片山津の3温泉があり、
それらを自転車で巡りながら加賀の魅力を知っていただけたらと…。
そんな想いから「温泉ライダーin加賀温泉郷」はスタートしました。
初心者、子どもから本格的な自転車ライダーまでが楽しめるよう、
様々なコース/イベントが地域の様々なエリアで開催されています!
2018年度の開催について
開催日時:2018年5月26日-27日
エントリー締切:5月15日(火)まで
エントリーURL:http://www.tour-de-nippon.jp/series/onsen-rider-kaga/
昨年の温泉ライダーの様子。なんと900名以上が参加!
ー 稲手さんが温泉ライダーを始めようと思ったきっかけは?
加賀には魅力的なところが沢山あると思っていて、
それは観光客の減少が叫ばれている昨今であっても変わらずに存在するものです。
ただ、その魅力は公共交通機関があまりない加賀では伝わりにくいのかなと。
加賀の面白いところは市内に点在していることも多いので…。
だったらもっと自転車を活用できないか、と思いました。
加賀には旅館さんも沢山ありますが、滞在先として加賀を選んでもらうだけではなく、
自転車で市内を巡る観光イメージを作ることで、周遊観光を促進していきたかったんです。
そこでまずはインパクトあるイベントを!と考え、
「温泉ライダーin加賀温泉郷」をスタートさせたんです。
山を登るヒルクライムコースも。ぐるっと周ってかえれる珍しいコースとのこと。
ー 自転車と加賀は昔から縁があると聞きました。
そうですね。
実は、自転車のタイヤのリムを最初に作ったのは加賀市の企業と言われてるんです。
加賀は昔から漆器の生産地として栄えていたので、
木材を加工する技術を生かして自転車の木製リムを作っていたみたいですね。
今でもその企業は存在していますし、そういう時代背景も沢山の人にぜひ知ってほしいです。
加賀温泉郷をPRするLADYKAGAの皆さんも応援
ー 旅行業ながら、地元の観光振興を目指されたんですね。
旅行業というと、一般的には地元の方が旅行に行くのをお手伝いする仕事なので、
確かに地元を盛り上げるのは自分の仕事じゃないと思われる方もいるかもしれません。
ただ、これは昔から口癖のように言っていることなんですが、
巡り巡るものは必ずあると思っているんです。
リーマンショックの時は、本当にみんな外に出ていきませんでした。
その時に、結局地元の人が儲からないと、自分の仕事は無いんだなと痛感して。
地元が盛り上がっていて、地元が元気で、それが巡り巡って自分の仕事に繋がるんです。
リーマンショック後で大変だった加賀市を振り返る稲手さん
ー そんな温泉ライダーも7年目。何か変化はありましたか?
普段本格的な自転車に乗っていない人や子どもたちにも参加してほしいので、
今年からは「ライドハンターズ」という新しいコースを用意しました。
市内の各所を自転車で巡りならポイントを稼いでいくコースです。
僕たち地元の人間が考えたコースだからこそ紹介できる加賀ならではスポットや、
普通の観光コースでは訪れないようなこだわりのお店を知る機会になったら嬉しいです。
ライダーのレベルに合わせた様々なコースが用意してるとのこと
ー これから先、取り組みたいことはありますか?
すでに始めていることですが、「ウィーラースクール」という名前で、
地元の子どもたちを対象に自転車教室を開催しています。
最近、小学6年生でも自転車に乗れない子がいます。
時代が変わったといえばそれまでですが、自分が子どもの頃には考えられなかった事です。
運転免許を持たない子どもたちが自転車に乗れないことで、
地域を狭い範囲でしか知らずに育っていくのは勿体無いなと思っています。
自転車で地元のいろんな所に行って、時には大人も知らないような場所を見つけて、
そんな小さい時の思い出が、郷土愛を深めていくじゃないでしょうか。
ウィーラースクールに通っている子どもたちと。
加賀の持つ自転車の歴史と共に、子どもたちに自転車の楽しさを伝えたいと話してくれました。
ー 最後に、加賀をこれから訪れる人に一言ください。
加賀市には、歴史・文化・山・川・海があり、食べ物も美味しく、
周遊観光にもってこいの、魅力あふれる観光地であると思っています。
そんな加賀市を周遊するなら、もちろん自転車がオススメですよ!
何故なら、加賀市は日本で初めて自転車用の木製リムを製造した
「自転車産業発祥の聖地」ですから!
自転車はエコだし、健康にもいいし、そして何より楽しいですよ!
ぜひ自転車を乗りに加賀に来てください(笑)!
自転車に乗る子どもたちの表情が印象的です!
稲手さんの事務所にも温泉ライダーのポスターが